ふるさと

夕暮れ時、お経の声に目をやれば、
パイプ椅子を並べて地元の人たちが地蔵盆の行事をされていた。
提灯が飾られ、お地蔵さんの前にロウソクが灯され線香があげられて、
見慣れた道路がいつもとは違う雰囲気になっていた。

そういえばあんなに喧しかったクマゼミは鳴かなくなり、
陽が沈んだ頃、ひぐらしの声が聞かれるようになった。
洗濯を干していると、トンボが二匹通り過ぎて行った。
この優雅なトンボはあの汚水の川で生まれたのだろうか。

去年、親が死に、私には帰省するところがなくなった。
実家というものが消えたのだ。

これからは大正が故郷になっていくのかなあ。

This entry was posted on 金曜日, 8月 27th, 2010 at 9:32 AM and is filed under 未分類. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

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